花粉症とは?
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、花粉という異物に対して体が起こすアレルギー反応です。
くしゃみ、鼻水、涙などの反応は、異物を体の外に出そうとしているのです。
花粉症の中でも、スギ花粉症の患者人口は1998年で16.2%、2008年で26.5%、2018年で38.8%というように10年毎に約10%増加しており、今後も増加が見込まれています。
症状
- 鼻炎:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 結膜炎:目のかゆみ、白目や目の周りが赤くなる、涙・目やに
- その他:皮膚のかゆみ、頭痛・微熱・倦怠感など全身の症状
口腔アレルギー症候群
生の果物や野菜を食べた直後に、口の中がかゆくなったり、唇や口の中が腫れたりする病気です。
花粉症に合併することが多く、花粉症患者数の増加に伴い、増加傾向です。
花粉のアレルゲン(アレルギーを起こす物質)と構造が似ている果物や野菜を食べたときに発症することがあります。
花粉症と風邪との違い
間違え易い風邪と花粉症。
簡単にご自身で分かる症状としては、こちらの内容があげられます。
- くしゃみ:続けて出ることもあるが、1週間程度で治まる。
- 鼻水:はじめは水のようだが、粘濃液に変化する。
- 鼻閉:一時的にみられる。
- 目のかゆみ:ほぼ無い。
- 熱:高熱を伴うこともある。
花粉症
- くしゃみ:程度がひどく、花粉飛散中繰り返す。
- 鼻水:水のようなものが多く、透明な粘液のときもある。
- 鼻閉:花粉飛散ピークになると繰り返す。
- 目のかゆみ:通常はかゆみ・涙を伴う。
- 熱:ほぼ無い。ある場合は微熱。
花粉の飛散時期・関連する食物
植物名 | 説明 | 飛散時期 | 花粉症との関連が報告されている食べ物 |
---|---|---|---|
日本スギ |
多くの地域に植林されている常緑高木。 |
2月下旬~5月上旬 |
トマト |
ヒノキ |
山中にある常緑高木。 |
3月~5月上旬 |
トマト |
ハンノキ |
湿地、湿原や池沼のまわりに自生するほか、公園などにも植えられている。 |
2月下旬~5月上旬 |
リンゴ・モモ・ビワ・さくらんぼ・イチゴ・メロン・スイカ・きゅうり・大豆・キウイ・オレンジ・ゴボウ・山芋・マンゴー・アボカド・へーゼルナッツ・ニンジン・セロリ・じゃがいも・トマト |
シラカンバ |
本州中部似北の高原などに生え、樹皮が白く薄くはげる落葉高木。 |
4月~6月上旬 |
リンゴ・モモ・ナシ・洋ナシ・スモモ・アンズ・さくらんぼ・イチゴ・へーゼルナッツ・くるみ・ア―モンド・ココナッツ・ピーナッツ・セロリ・ニンジン・じゃがいも・キウイ・オレンジ・メロン・ライチ・香辛料(マスタード・パプリカ・コリアンダー・トウガラシ) |
オオアワガエリ |
牧草として全国で広く栽培されているほか、雑草化して道端や河川敷などにも生えている。 |
5月下旬~11月上旬 |
メロン・スイカ・トマト・じゃがいも・タマネギ・オレンジ・セロリ・キウイ・米・小麦 |
カモガヤ |
牧草として全国で広く栽培されている多年草。雑草化して道端や河川敷などにも生えている。 |
5月下旬~11月上旬 |
メロン・スイカ・トマト・じゃがいも・タマネギ・オレンジ・セロリ・キウイ・米・小麦 |
ブタクサ |
道端、河川敷、荒地、畑地、などに生えている。 |
7月下旬~11月上旬 |
メロン・スイカ・ズッキーニ・きゅうり・バナナ |
ヨモギ |
平地から高山帯まで広く分布し、繁殖力の強い植物。 |
7月下旬~11月上旬 |
ニンジン・セロリ・レタス・ピーナッツ・クリ・ピスタチオ・へーゼルナッツ・じゃがいも・トマト・キウイ・ひまわりの種・香辛料(マスタード・コリアンダー・クミン) |
治療
保険診療
薬物治療が中心となります。(飲み薬、点眼薬、点鼻薬)。
- 「初期療法」:花粉が飛び始める前や、症状が出始める前から治療を開始することです。
- 「導入療法」:症状が出始めてからの治療です。
- 「維持療法」:良くなった症状を維持するための治療です。
状態に応じて、処方いたします。
自費診療
ノイロトロピンは、神経に働きかけ、慢性的な腰痛などの治療に使われる薬剤です。
花粉が飛散するとヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症を引き起こす物質が放出されます。それらが鼻粘膜に存在するムスカリン作動性アセチルコリン受容体を増やすことで、鼻水やくしゃみなどの症状を引き起こします。
ノイロトロピンはその受容体が増えるのを抑えることで、鼻水やくしゃみなどの症状を抑えるといわれています。
また、花粉症の原因となっている好酸球の作用も抑えるため、鼻粘膜だけでなく、体全体で起こっているアレルギー反応を抑え、目周りや全身の皮膚の痒みにも有効とされています。
週1回の注射を3回行うと、重症度にもよりますが、3-4ヶ月程度、効果が持続します。
花粉が飛び始める約3週間前に初回の注射をおすすめします。
症状が特にひどい方には、週2回で3週間もしくは週1回で6週間の注射のプランもご用意しております。
また、春、秋など異なる季節の花粉症を複数お持ちの方は、それぞれのシーズンの注射をおすすめします。
料金表
ノイロトロピン注射3回 | ¥13,200(税込) |
---|---|
ノイロトロピン注射6回 | ¥24,000(税込) |
マイヤーズ・カクテル点滴 | ¥11,000(税込) |
FAQ
- 風邪と花粉症の見分ける方法ありますか?
- 鼻汁が出るのは共通していますが、風邪であれば発熱、のどの痛み、咳などを伴うことが
多いです。
また、花粉症は季節性があるので、毎年同じ時期に長期間にわたり症状が出ることから判断できます。
- 花粉症は治りますか?
- 根本的に治す治療法はありませんが、減感作療法によって症状を出にくくすることができる 場合もあります。
- 薬はいつぐらいから飲むのが良いですか?
- 症状が出始めた頃から内服する場合が多いです。
- 薬はどの花粉にも効くのですか?
- 薬は花粉の種類によって変えるわけではなく、出ている症状によって変えています。
そのため、どの花粉であってもアレルギー症状であれば効果が期待できます。
- 保険治療で出来ますか?
- 保険治療で治療する場合が多いです。
一方、自費診療でも花粉症の症状が出る前にあらかじめ投与することで、 予防効果を期待できる治療法もあります。