毛孔性苔癬 (もうこうせいたいせん)とは
毛孔性苔癬は毛孔性角化症ともよばれます。若い女性に多く、上腕の伸側・肩部・臀部・太ももなど、生まれたときからでは無く小児期や思春期に現れはじめることが多いです。まれに男性にもできます。
はじめに
毛孔性苔癬のほとんどの症例では特に痛みや痒みなどの自覚症状はありませんが、ごくまれに若干の痒みを訴えられる患者様もいます。
健康上重大な問題は起こりません。
直径2~3mmの丸く盛り上がりがあり、毛穴が詰まったザラザラしたような感じにみえます。年齢には個人差がありますが、多くは40歳位を過ぎると自然退縮を示します。
身体の左右ほぼ対象に分布していることが多いです。
病因・誘因
毛孔性苔癬は身体の毛孔内に角質がたまり表皮にまで盛り上がり丘疹という状態となった角化症です。角質の異常であり皮膚病のひとつです。
若い女性の上腕伸側や肩部・臀部・太ももの前外側などに出現し、粟粒大までの大きさで毛穴ごとに角化性丘疹が見られ毛孔一致性の丘疹が多発します。皮膚と同じ色か褐色のことが多いですが、ときに潮紅を伴います。家族性の例が多いため、遺伝傾向(常染色体性優性)がある遺伝性皮膚疾患とされています。また一般的に肥満体質の方に多くみられます。
Cushing症候群・甲状腺機能低下症で増悪することあります。
治療
年齢を経るごとに自然退縮を示しますが、思春期~20代30代の腕のザラザラは大変気になるものです。
当院では尿素軟膏外用などの保険診療を行っております。それでも改善がみられない場合はより効果的な、自費診療外来にて トレチノイン療法やサリチル酸ピーリング、 エッジフラクショナルレーザー などの治療法も行っております。