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Treatment

金属アレルギー検査

金属アレルギーとは

金属アレルギーとは

私たちの身につけている金属が、汗やキズ口の体液などと反応して体内に入ると、それを排除しようとする免疫反応がおこります。
そして再び金属が体内に入り、反応が過剰におこると、皮フの赤み・かゆみ・ただれといった症状を引き起こします。

  • 首にあせもがある時につけたネックレスで金属アレルギーになり、その後、そのネックレスをつけると首がかゆくなる。
  • キズのついたピアスホールにつけたピアスで金属アレルギーになり、その後、そのピアスをつけるとピアストラブルがおきやすい。

など…

金属アレルギー検査で分かるアレルギーについて

18種類の金属試薬をひたしたテープを直接皮フに貼り、1週間後にどの程度の赤みが出るかで判定するパッチテストです。

金(ゴールド)3種類

比較的溶け出しにくい金属のため、アクセサリーとして人気がありますが、長時間身につけているとアレルギーを起こすこともあります。
最近は、ゴールドアレルギーの方が増加傾向にあります。
3種類の試薬を用いて検査します。
※18Kというのは24分の18がゴールドで、残りの24分の6はゴールド以外の金属だという意味です。残りの金属は銀や銅の場合が多いです。

皮フに触れる金属製品

アクセサリー、歯科用剤、金属回収作業、めっき

プラチナ

長年にわたり、常に身につける結婚指輪としてプラチナが人気なのは、比較的、溶け出しにくい金属だからです。
それでも、長時間、身につけているとアレルギーをおこすこともあります。
指輪購入のために検査をしたら、プラチナアレルギーだった方も実際に少なくありません。
※プラチナ900というように表記され、1000分の900がプラチナで1000分の100がプラチナ以外の金属だという意味です。残りの金属は、イリジウムやパラジウムの場合が多いです。

皮フに触れる金属製品

アクセサリー、歯科用剤、金属回収作業、めっき

ニッケル

身にふれる機会が多く、コバルトと並んで金属アレルギーの原因となりやすい金属です。

皮フに触れる金属製品

ステンレス製のアクセサリー(バックル・ガーター、時計、時計バンド、イヤリング、ネックレス等)、めっき、貨幣

気をつけたほうが良い食物

豆類、木ノ実、穀物(玄米、そば、オートミール)、野菜(ほうれん草、レタス、かぼちゃ、キャベツ)、キノコ(マッシュルーム)、海藻、魚介類(牡蠣、鮭、ニシン)、香辛料、飲み物(紅茶、ココア、ワイン)、菓子(チョコレート)、タバコ、薬剤(大黄末)

コバルト

身にふれる機会が多く、ニッケルと並んで金属アレルギーの原因となりやすい金属です。

皮フに触れる金属製品

ステンレス製のアクセサリー(バックル・ガーター、時計、時計バンド、イヤリング、ネックレス等)、粘土、絵の具、陶器のうわぐすり

気をつけたほうが良い食物

豆類、木ノ実、野菜(キャベツ)、魚介類(ホタテ貝)香辛料、飲み物(紅茶、ココア、ビール、コーヒー)、菓子(チョコレート)

アクセサリーに用いられることは少ないですが化粧品顔料として用いられています。

皮フに触れる金属製品

ステンレス、歯科用剤、化粧品

インジウム

アクセサリーに用いられることは少なく、歯科用材として用いられています。

皮フに触れる金属製品

歯科用剤

銀(シルバー)

シルバー925というように表記します。
1000分の75がシルバー以外の金属で、銅を使うことが多いです。

皮フに触れる金属製品

アクセサリー、歯科用剤、めっき、貨幣、食器

錫(すず)

シルバー製品と見た目に似ていますから製品表示で確認してください。

皮フに触れる金属製品

歯科用剤、顔料

亜鉛

シルバー製品と見た目に似ていますから製品表示で確認してください。
真鍮(しんちゅう)は銅と亜鉛の合金です。

皮フに触れる金属製品

歯科用セメント、化粧品、顔料、陶磁器うわぐすり、ガラス、アクリル系合成繊維、革製品の防腐剤、めっき

気をつけたほうが良い食物

豆類、木ノ実、穀物(玄米、小麦、小麦麦芽)、キノコ(舞茸)、海藻(海苔)、肉類(レバー、牛肉)、卵(卵黄)、魚介類(牡蠣、カニ、たこ、干し鱈)、香辛料、飲み物(日本茶)、菓子(チョコレート)

マンガン

アクセサリーに用いられることは少なく、建築資材の鉄筋などに含まれています。

皮フに触れる金属製品

ステンレス、歯科用剤、ほうろう

気をつけたほうが良い食物

豆類、木ノ実、穀物(玄米、小麦)、野菜(わらび、パセリ、レンコン)、キノコ(舞茸)、海藻(海苔)、肉類(レバー)、香辛料、飲み物(紅茶、日本茶)、菓子(チョコレート)

イリジウム

アクセサリーに用いられることは少なく、歯科用材として用いられています。

皮フに触れる金属製品

歯科用剤

パラジウム

ニッケルメッキの代わりに使われる場合があります。主に歯科用材として用いられています。

皮フに触れる金属製品

めっき、歯科用剤、眼鏡フレーム、腕時計

クロム

銀色のめっきに用いられます。ステンレスの主成分はニッケルとクロムですが医療用ステンレスという表記のものは溶出しにくいのでアレルギーは起きにくいです。

皮フに触れる金属製品

ステンレス、黄色顔料、毛染め酸化剤、漂白剤、家具、花火、皮革防水加工剤、陶磁器うわぐすり

気をつけたほうが良い食物

野菜(ジャガイモ、玉ねぎ)、キノコ(マッシュルーム)、香辛料、飲み物(紅茶、ココア)、菓子(チョコレート)

ゴールド製品・シルバー製品に含まれています。真鍮(しんちゅう)は銅と亜鉛の合金です。

皮フに触れる金属製品

アクセサリー(18金)、顔料、人絹染料、めっき

気をつけたほうが良い食物

豆類、木ノ実、キノコ(舞茸)、肉類(レバー)、魚介類(牡蠣、ジャコ)、香辛料、飲み物(紅茶、日本茶)、菓子(チョコレート)

アルミニウム

アクセサリーに用いられることは少ないですが、チタン合金には6%程度含まれています。

皮フに触れる金属製品

缶製品、歯科用セメント、化粧品、香料、歯磨き、クレヨン、顔料、エナメル、ミョウバン、ベーキングパウダー、めっき

バナジウム

アクセサリーや皮フの直接触れるものではありませんが、チタン合金を作る際にアルミニウムとともに含まれる金属です。

皮フに触れる金属製品

ほぼありません

金属アレルギー検査の流れ

パッチテスト開始

18種類の金属試薬がついたテープを二の腕かお腹に貼ります。
※テープを貼っている間は、入浴、スポーツ、汗をかく行為は控えてください。

診察・処置
24時間後

テープは24時間後にご自身で剥がしていただきます。
判定は1週間後に行いますので、1週間後に必ず来院ください。
テスト部位の状態は徐々に変化します。
赤み・かゆみがひどい、汗が出てくるなど反応が強くて困る場合は来院ください。

経過診察(処置後約1週間後)
判定(テスト開始から1週間後)

写真のようにどの金属のアレルギーがあるか分かりました。

判定

検査費用

金属アレルギーと強く疑う症状があり、検査する必要性の高い場合は保険診療が認められています。明らかに金属アレルギーと疑う症状は出ていないけれども調べておきたいという患者様のために自費診療でも検査を行っています。

保険診療 3割負担で¥990
※別途、診察料(初・再診料)が必要となります。
自費診療 ¥3,300(税込み)
※別途、診察料(初・再診料)が必要となります。

金属アレルギー検査の注意事項

  • テープを貼って検査した部位が強く反応した場合には赤みや痒み、かぶれが伴います。その反応でアレルギー判定をします。
    アレルギー反応が特にひどい場合には、水疱ができたり、じゅくじゅくしたりすることもあり、炎症後色素沈着が数ヶ月残ってしまうこともありますので、ご了承ください。
  • 歯科治療に際して金属アレルギー検査を検討されている方は、事前に担当の歯科医にどのような金属を調べておくべきかの指示をもらってから、その金属項目が当院のパッチテストに含まれているかご確認ください。
    (歯科治療の内容によっては、当院のパッチテストでは不十分な場合もございます。)

金属アレルギー検査に対する当院の「こだわり」

1)試薬について

  • 水銀の検査は行っていません。昔はキズの家庭用消毒剤として水銀を含有する「赤チン」が使われていましたが、
    水銀自体の毒性が強いため1973年から市販されなくなり、日常生活で接触することがなくなっているからです。
  • 金(ゴールド)は3種類行っています。一般的にはテトラクロロ金酸という保険適用試薬を使用するのですが、
    金(ゴールド)にアレルギーがあると診断することは慎重であるべきだと当院は考えています。
    もし金にアレルギーがあれば、歯科治療やアクセサリーなど日常生活に大きく影響するからです。
    金は溶けにくいので、金を溶解する溶剤の刺激も考慮にいれる必要があります。
    金試薬に反応したとしても、金そのものにではなく溶剤に反応したのかもしれません。
    そうだとすれば誤診ということになります。誤診を防ぐために当院では、テトラクロロ金酸に加えて、
    金チオ硫酸ナトリウムと金チオリンゴ酸ナトリウムの3種類を使用しています。
    上記3種類すべてに反応した場合に、金に対する金属アレルギーがあると判定します。
  • チタンについて。金属アレルギーは汗などの体液に金属が解けることによって起きるため、金属が溶けることが前提です。
    金属としてのチタンは日常環境では酸化チタンまたは窒化チタンの形で存在していてイオン化しないのでアレルギーを起こさず、
    イオン化しないということは試薬を作ることもできないのです。
    最近はアレルギーフリーの金属素材がもてはやされていますが、多くは純チタンではなくて6%のアルミニウムと4%のバナジウムを混ぜたチタン合金です。 チタンはアレルギーを起こさないとしてもアルミニウムやバナジウムの検査は必要だと考えています。

以上のことより、当院は3種類の金・プラチナ・ニッケル・コバルト・インジウム・鉄・銀・錫(すず)・亜鉛・マンガン・銅・イリジウム・パラジウム・アルミニウム・クロム・バナジウムの合計18種類の検査を行っています。

2)テープを貼る部位と時間について
金属アレルギー検査の手順は化粧品成分による検査手法に準じて作られました。化粧品の場合は検査項目が多いので広い面積を確保できる背中が用いられています。
背中の皮膚は厚いので試薬が十分に浸透するように48時間貼るのですが、その間シャワーは浴びられず、汗をかきやすい夏場は検査できません。
背中に貼れば患者さんは自身で観察できないのでテープが浮いたりずれたりしても分かりません。1週間後の判定までに何回か通院していただくことも負担です。
誰もがスマホで写真を撮れる時代であることを踏まえて、当院では観察しやすく写真も撮りやすい腕、腹部、太ももなどに貼ることにしています。
またそこの皮膚は薄いので貼る時間も24時間で済みます。
この変法は専門学術誌にも発表しておりますが、このような論文は複数の専門家の査読を経て掲載されますので「あやしい」変更ではありませんが、
原法に近い検査を求められる患者様には貼付時間も延長しております。

当院での変法論文はこちら