イボ・タコ・魚の目治療ポイント
明治通りクリニックの足の皮膚トラブル治療ポイント
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イボ・タコ・魚の目の治療詳細
当院では、患者様お一人お一人に合った処置をおこなっております。
ご自身が、どの症状にあてはまっているか分からない場合や痒み、痛みを伴う場合など、ご相談いただき担当医がお悩みを改善できるように診療させていただきます。
イボについて
原因
皮膚にできた擦り傷などの小さな傷からイボウイルスに感染する。
例:素足でのスポーツやダンスなどを繰り返して感染したり、できたイボを触っていて別の部位に感染が拡がったりします。
- 保険治療:
綿棒に浸した液体窒素でイボを凍結させる。(液体窒素の温度はマイナス196度)。
スプレーを使って霧状の液体窒素をイボに吹き付けて凍結させる。
漢方薬(ヨクイニン)の内服サリチル酸などの軟化剤をイボに塗布する。 - 保険外治療:
モノクロロ酢酸などの腐食剤を塗布する。
5-FUなどの抗癌剤軟膏を塗布する。
レーザーで切除する。
イボ発生のメカニズム
イボは医学的には尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)というウイルス感染症です。
皮膚は大きくわけて表皮と真皮という二つの層からなっていて、表皮の最下層は基底細胞が並んだ基底層で真皮との境となっています。
皮膚表面にキズができると、キズの中にイボウイルスが潜りこんで基底細胞に感染します。
感染した基底細胞は分裂して異常増殖がはじまります。
増殖して塊となって皮膚の外にまで盛り上がってきたのがウイルス性のイボです。
生きた細胞の塊ですからイボの中には細胞を栄養する細い血管が伸びていて拡大鏡を用いれば視認することができます。
この微小血管の状態でイボの治療経過を観察します。
ウイルス感染とは無関係のものもイボといわれることもあります。ウイルス性でないイボはレーザーを使えば目立たないように切除できますが、レーザーをウイルス性イボに使っても再発率は高いです。
ここではウイルス性のイボについて説明します。
ウイルス性イボ治療の第一選択は液体窒素治療で、綿棒を凍らせてイボに押しつける方法とスプレー噴射器で霧状にして吹きつける方法があります。健康保険が適用され、スプレーの方が綿棒よりもやや効果が高いのですが保険で支払われる治療費が同じなので道具のいらない綿棒での治療のほうが一般的です。
どちらの方法でも痛みが強く、また治療回数も10回以上もかかることが多いため根気が要ります。痛みが強く継続できない患者様も多く、その場合はモノクロロ酢酸という強い薬品でイボを腐食させます。ほとんど痛みはありませんが液体窒素と同じく治療回数は10回以上になることも多いですし保険外診療となってしまいます。
モノクロロ酢酸溶液でも効果が乏しければ5-FU軟膏という抗癌剤軟膏を塗布することもあります。更にはレーザーで物理的に切除してしまうこともあります。
ここまでの説明内容は一般的で目新しいものではありません。いろいろなサイトで図や写真入りで解説されていますので検索してみてください。
当院での治療
プロテクタによる液体窒素治療(保険適用)
「液体窒素はとても痛くて、そのうえ効果が乏しい」というのが世に定着した悪しき評判ですが、痛みを我慢して、我慢の限界まで、限界を超えてイボを凍らしたとしたらどうなるのでしょう?
話が逸れますが、ヤケドしたときの水疱や靴擦れの血豆は先ほど説明した表皮と真皮がずれてその隙間にリンパや血液がたまったものが水疱であり、血豆です。水疱や血豆を覆っている皮膚には血流がありませんから、いずれ乾燥して脱落します。
イボに話を戻します。
イボウイルスは表皮の最下層である基底層の細胞に感染して、そこから上の方に成長しているとの説明を思いだしてください。
イボを液体窒素で激しく凍らせるとイボの下に水疱ができます。イボを含んだ皮膚は水疱でさえぎられますから真皮からの栄養が途絶え、乾燥してイボといっしょに脱落してしまいます。
液体窒素の評判が悪いのは、痛みのために水疱ができるまで強く処置できないためなのです。
痛みの少ない超強力液体窒素治療(保険適用)
ここからが当院独自の治療法の説明です。
青い線は痛みを感じる知覚神経で、皮下組織や真皮を通って末端が基底層の上に飛びだしています。
しかしイボの部分では、基底層より上はイボに置き換わっているので知覚神経末端は破壊されて存在しないのです。ということは、イボの真下には知覚神経がない!!
すなわちイボを凍らせても痛みは感じないはずです!!
じゃあ、なぜ痛い??
痛みはイボの周辺の正常皮膚が冷えて、そこにある知覚神経からきているのです。
このような漏斗(じょうご)を見つけました。
イボにあてて噴射すると周りの皮膚に液体窒素はかかりませんから痛みは感じにくいはずです。
できる水疱もイボの真下だけに限局するので皮膚のダメージは少なく回復も早いはずです。
ということで、イボの大きさに合わせられるように2mm~12mmまでの11サイズの穴をもったプロテクタを作成しました。
実際の治療経過をお見せします。
初診時のイボです。
イボの表面を削って皮膚拡大鏡で観察すると、このように赤黒い点々が無数に見えます。
イボを栄養する微小血管です。出血するまで削っても痛みはありません。説明しましたように知覚神経が破壊されているからです。
イボの大きさに合わせてサイズを選び、皮膚に強く押しつけます。
液体窒素をスプレーで吹きつけます。
プロテクタを使用しない場合は2~3秒で痛みに耐えられなくなるのですが、この患者様では10秒ほど吹きつけましたが痛みはほぼ無いとのことでした。
直後の写真です。プロテクタの押し跡がうっすらと付いていて、その中のイボだけがカチカチに凍っています。10秒くらいで溶けますので、再度10秒くらい噴射します。
こちらに治療をしている動画がありますのでご覧ください。
10日後ですが微小血管はずいぶん減っています。2回目の噴射治療を行ないました。
更に2週間後、2回の治療の結果です。3回目の噴射治療を行ないました。
更に10日後、微小血管は見当たりません。3回の噴射治療で治ったようにみえますが、念のため4回目の噴射を行ないました。プロテクタを使用しなければ10数回かかったかもしれません。
このように当院開発のプロテクタを使用すれば液体窒素治療も痛みを伴いにくく、少ない回数で治すことができます。
実際、こちらのように1回の噴射治療で完治した患者様もいらっしゃいます。
このプロテクタ治療は2017年に始めたのですが、関東一円からたくさんの患者様にご来院いただいて喜んでいただいておりますが、足裏などの平らなところにできたイボにしか使用できないという問題点があります。
指の間にできたイボには写真のような試験管を加工した手作りのプロテクタで対応しているのですが壊れやすくて使いづらいという欠点があります。(マイナス196度という超低温に材質が耐えられないのです)
新しいリング状プロテクタ
多くの経験を踏まえて新しいプロテクタを作製しました。
爪周辺にできたイボに対応できる三日月や半月の形をしたものや2mmから16mmまでの16種類の噴出口を持っています。従来の板状のものと違って指の間などの起伏に富んだ場所でも押し付けることができます。
新しいスプレー
プロテクタを使用しなければ痛いので、スプレーの噴射時間は5秒程度です。プロテクタを使うと1分以上もほぼ連続して噴射することもあります。そうすると先端が凍結してノズルの目詰まりが起きて噴射量が減少してきます。噴射にムラができると治療計画に支障がでます。プロテクタを使用するようになって生じた新しい問題です。
長時間連続して噴射しても安定した射出が保たれ、もう少し射出量が大きいスプレーがないものかと調べたところ、日本に入ってきていないスプレーを見つけました。従来のものより数倍のパワーがあり目詰まりもしません。この強力スプレーとリング状プロテクタで より短期間で より確実にイボ治療ができるようになりました。
ヨクイニン内服治療(保険適用)
このプロテクタを用いた液体窒素治療の補助治療として漢方薬(ヨクイニン)の内服を併用することもあります。
ヨクイニンに含まれる成分であるコイクセノライドには、免疫力を高めて皮膚の新陳代謝を活発にし、表皮細胞の再生を促進するため、イボを小さくする効果があります。ヨクイニン単独では心もとないのですが皮膚に張りがでてキメの改善も図れるというアンチエイジング作用があります。
カンタリジン外用治療(保険非適用)
カンタリジンというのはツチハンミョウという昆虫が出す分泌液で、触れると水疱ができることがあります。アメリカではよく使われている治療で、米国国立衛生研究所(NIH)の報告によると、小児の 86.5%、成人の 62.7% でイボが完全に除去されたとのことです。
イボの直下に水疱を作る治療はプロテクタを用いたスプレー法に相通じるものなので、当院ではスプレー治療と併用しています。(保険適用ではないので料金をいただいていません)
モノクロロ酢酸外用治療(保険非適用)
腐食作用のある薬剤でイボ外来ではよく使われていますが、カンタリジンのほうの効果が高いので、現在は当院での使用頻度は低くなっています。
5-FU軟膏外用治療(保険非適用)
5-FU軟膏はガンの治療薬です。ガンは組織細胞の際限なき異常増殖なのですが、イボも感染した基底細胞の異常増殖なので効果があります。
上記のプロテクタによる治療を始める前は当院でも積極的に行なってきましたが、特別なケースを除いて今は行っていません。(高額な軟膏なので必要な場合はメーカーから取り寄せています)
レーザー治療 (保険非適用)
局所麻酔下に物理的に切除する方法ですが、レーザーは光線が当たった皮膚を浅く削るものなので、深く潜り込んだウイルスを根絶やしにできず再発率が高いです。切除したあとで液体窒素をかけると効果的です。
タコについて
原因
皮膚に繰り返して長時間、摩擦や刺激がかかる
例:クッション性の低い靴での長時間の立ち仕事やフローリングで素足の生活など
- 角層を削り除く処置
- サリチル酸などの塗り薬
- 原因となる刺激を避ける
- フットパッドやインソールの使用
タコについて(保険適用)
タコは医学用語では胼胝(べんち)といいます。
皮膚が繰り返して長期間、摩擦や刺激を受けることにより起こります。通常は皮膚表面にとどまっている角質が真皮層の近くまで表皮全体に増殖したものです。
タコは足の裏以外にも癖や職業、その人の生活習慣によっていろいろな場所にでき、表面は平滑で周囲との境界は不明瞭です。
タコの場合、表面の皮膚が固くなるだけなのですが靴にあたって痛むことがあります。
治療法としては定期的に削るしかありません。削りやすくするためにタコを柔らかくする薬や絆創膏が市販されていますが、柔らかくすると細かく削ることができませんので、来院される場合には使用しないでください。
当院ではこのような医療用のカミソリやパイプ状のメスを使い分けて削っています。
この削り処置は月に2回であれば保険が適用されますが、赤線のように深く削れば数カ月は持ちますので、サイズのあった靴やインソールを工夫するようにしてください。
魚の目について
原因
皮膚のより限局した範囲に繰り返して長時間 摩擦や刺激がかかる
例:サイズの合っていない靴で毎日長時間の立ち仕事、スポーツ ダンスなどのいつも同じ靴での激しい運動など
- 角層を削り除く処置
- スピール膏を貼る
- サリチル酸などの塗り薬
- 原因となる刺激を避ける
- フットパッド、魚の目保護パッドの使用
魚の目について(保険適用)
魚の目は医学用語では鶏眼(けいがん)といい、タコの中心部にできた固い芯です。
限局した範囲に慢性的な圧迫刺激が続くことにより生じます。
魚の目の周辺はタコですから削っていくと中央に芯が見えてきます。
魚の目の芯は鉛筆の芯のように固いですから神経や血管を圧迫する場合は激痛をともなうこともあります。
周辺のタコの部分を削って芯を露出させてパイプ状のメスで削ります。無麻酔で行いますが痛みはありません。しかし、青線で示したような範囲までしか削れませんので完全には取り除けません。 なお、足裏などにできた魚の目は乾いて固いですが、ゆびの間にできた魚の目は柔らかくてふやけています。そのままでは処置をしにくいので乾いたガーゼなどを1週間程度挟んで乾燥させた状態で受診されるようお願いいたします。
中には痛くて削れないという患者様もいらっしゃいます。その場合は局所麻酔をして、赤線の範囲を切除します。切除後は止血のために数針縫合しますが1週間程度で治ります。足裏の体重がかかるところなので2~3日は歩くと痛いですのでスケジュールを調節して予約をお取りください。
患部に液体窒素をあてて治療します。
治療には、痛みを伴うこともございますが、当院オリジナルのプロテクターを使用するなど、できる限り痛みを少なく、なおかつ効果的な治療を提供できるよう心がけております。
・通院頻度 1~2週間に1回
・治療後は圧迫されると痛む状態が数日続きますが、徐々におさまります。
・イボの大きさや深さにより、治療回数は異なります。
モノクロロ酢酸は、劇物に指定されている強い酸で、その腐食作用を利用した治療法です。
・治療後は患部を6時間は濡らさずにお過ごしください。
・通院頻度 2週間に1回
・足底の難治性のイボでは液体窒素療法と併用することがあります。
痛みのあるタコや魚の目を医療用メス等で削ります。
患部の状態にあわせて、きめ細かく削るよう心がけています。通常の施術に痛みは少ないです。
・通院頻度 再び痛みを感じたら。
ピーリング作用のあるサリチル酸、角質とやわらかくする尿素、異常増殖を抑えるビタミンD3等の外用薬を患部の状態に合わせて処方します。
治療のながれ
- 診察
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担当医が患部の状況を確認いたします
- 治療
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状況にあった治療をいたします
- 治療後
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自宅での過ごし方を説明させていただきます
料金表
イボ・タコ・魚の目 | 保険診療 | 3割負担で初診は¥1,650(税込)前後 3割負担で再診は¥1,100(税込) |
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FAQ
- イボ・タコ・魚の目の違いは?
- いずれも皮膚の角質が肥厚したものです。
イボはウィルス感染によるものです。タコ、魚の目は機械的刺激によるもので、 タコに痛みを伴うものが魚の目です。
- 原因は何ですか?
- いずれも皮膚の角質が肥厚したものです。 イボはウィルス感染によるものです。タコ、魚の目は機械的刺激によるもので、 タコに痛みを伴うものが魚の目です。
- 自分で治療は出来ますか?
- イボはクリニックでの専門的な治療が必要です。 タコ、魚の目は機材があれば自分で削ることもできます。
- 治療に痛みは伴いますか?
- イボの治療は、液体窒素で凍らせる治療が主で、痛みの少ないように工夫をしていますが、痛みを伴います。 また、皮膚を腐食させる液体や、水ぶくれを意図的に作る液体を塗る治療もあり、液体窒素と同時にやることもあれば、 液体だけ塗る場合もあります。液体窒素治療を行わない場合は痛みを伴いません。 タコ、魚の目の治療は削るだけですので、一般的には痛みを伴いません。
- 治療に時間(期間)はかかりますか?
- イボは1〜2週ごとに何回か治療を行う必要があります。 タコ、魚の目は削ってしまえば、また角質が分厚くなるまでは治療の必要はありません。