トレチノイン・ハイドロキノン軟膏治療ポイント
明治通りクリニックのトレチノイン・ハイドロキノン軟膏
- 患部だけの代謝スピードを上げてシミを解消!
- 皮膚がツルツルになり、お化粧ののりも改善!
- 赤みが出ないように濃度を調整できる!
- 肌全体のくすみ、シミ、肝斑などに有効!
- ニキビにも高い効果を発揮!
- 傷跡、火傷(ヤケド)、ニキビ跡、虫刺され跡などに効果的!
色素沈着を改善!
トレチノイン軟膏とハイドロキノン軟膏を混ぜて皮膚に塗布することにより、ニキビやシミを改善。さらに、なんらかの原因でできてしまった色素沈着を改善します。
トレチノインの濃度を調節することで、肌の状態に合わせた治療を行なえます。
シミやニキビといった肌トラブルは大きな悩みとなりますが、そのほかにも傷跡や手術跡、火傷(ヤケド)、ニキビ跡、虫刺され跡、毛孔性苔癬、炎症後色素沈着といった、自分ではどうしようもないと思っている症状をお持ちではないでしょうか。
トレチノイン・ハイドロキノン軟膏は、そうしたお悩みに対応した治療薬となっております。
治療詳細
トレチノインとは
トレチノイン(ATRA: オールトランスレチノイン酸)とは、効果がビタミンA
の50~100倍あるといわれている、ビタミンAの誘導体です。体内
に入ると普通のビタミンAですから、アレルギーを起こしたりする心配は全くありません。
アメリカでは、約30年前からFDA(連邦医薬品局≒アメリカの厚生労働省)
にニキビの治療薬として認可されました。さらに1980年代後半からは、さまざまな研究によってシミ・シワといった紫外線による肌の老化の諸症状に改善が認められるとされ、その効果に疑いの余地はありません。
残念ながら、まだ日本では厚生労働省の認可が下りていませんが、現在では、東京大学形成外科の吉村浩太郎先生が軟膏製剤にさらなる改良を施し、皮膚に携わる医師の間で広く認知されるようになりました。
トレチノインの働き
少し専門的な内容になりますが、トレチノインの働きをまとめました。
1)角質を剥がす(ピーリング)作用がある
2)代謝が上がり、表皮(シミがある部位)の細胞分裂スピードが2~3倍になる
3)毛穴の中にある皮脂腺の働きである、皮脂を分泌する機能を抑える
4)皮膚の深い部分である真皮のコラーゲンを増やし、皮膚のハリ、小ジワを改善する
5)ヒアルロン酸などの粘液性物質を表皮で増やし、みずみずしさを保つ
1)で余分な角質を剥がすことで皮膚表面がツルツルになり、お化粧ののりも改善。さらに、2)で代謝が上がるため、表皮の中にあるメラニンの塊(シミ)が押し出されます。また、3)で毛穴の皮脂腺を抑制することで、ニキビが劇的に改善され、毛穴の黒ずみや開きなどにも効果が出ます。そして、4)、5)により、文字どおり皮膚を若く保つことができるようになります。
トレチノイン軟膏を用いた治療
トレチノイン軟膏を用いた治療は、施設により方法はさまざまですが、最近は顔全体にうすく伸ばして塗っていく方法が主流です。
トレチノインは前述したとおり、最初の数週間は赤みが出てしまいます。これを極力避けるため、濃度が薄めのトレチノインをさらに自身で薄め、塗布していただきます。トレチノインは高濃度のものを短い期間で集中して使うよりも、低濃度のものを長期間使用するほうが効果的であるというデータも出ています。
ご自身でトレチノインを薄める外用剤は総じて「ブレンダー」とよばれており、通常はハイドロキノンをブレンダーとして用います。
まず、下地をたっぷり塗布。乾いたあと、ブレンディングしたトレチノインを塗布していきます。低い濃度からブレンドして少しずつ濃度を調節できるので、どれくらいの比率で混ぜればほんのり赤み出るかがわかってきます。こうした微調整のブレンドにより、塗布した次の日に顔が真っ赤になって人前に出られない、というようなことは起きなくなります。
この治療方法は、肌全体のくすみ、シミ、肝斑などに有効なばかりでなく、ニキビ治療に対しても大変効果的。赤みを抑えるP-リボーンと併用して行なうと、症例写真のように大きな改善が見込めます。
比較的濃度の濃いものを、患部からはみださないように塗布します。初めは患部にかなり強い赤みが出ますが、8週間前後で効果があらわれます。
ハイドロキノンとは
ハイドロキノンとは、1,4-ベンゼンジオールと呼ばれる白色の結晶で、水やアルコールに溶ける性質を持っています。
図にあるように、パラハイドロキシベンゼンの形をとっており、構造としては高校の化学の教科書にも出てくるような簡単なものになっています。
皮膚に局所的に用いると、チロシンから3,4-ジハイドロキシフェニルアラニン(ドーパ)を合成する酸化酵素の抑制と、メラニン細胞からの代謝抑制を行ない、皮膚の脱色素を可逆的に行なうことができます。
- 新たなシミの予防
- 皮膚の炎症後色素沈着の色を薄くする
- 一日一回、寝る前に皮膚を清潔にしてから塗布する
- 冷蔵庫で保管する
当クリニックでは、濃度5%のハイドロキノン軟膏を用意しております。医師が診察し、症状に合わせて処方いたします。また、かぶれやすい方のために、赤ちゃんにも使用できるほど弱いステロイドが入ったものを準備しております。
ハイドロキノンの働き
シミの原因であるメラニンを作らせなくする機能を持っているので、一言でいうと「肌の漂白剤」となります。
市販の美白製品は、コウジ酸、アルブチン、各種植物エキスなどを配合したものが数多く販売されていますが、その効果はハイドロキノンの100分の1程度であるといわれています。そのため、実質的な効果はほとんど期待できないのが現状です。
日本では厚生労働省による安全性などの検証の結果、現在では一般化粧品に配合することが認可されていますが、アメリカでは多少刺激性などがあることを理由に、FDAの指導のもと医師の処方がないと使えないようにしようという動きが出てきています。
日本ではまだ市販のものが手に入りますが、配合濃度が低く設定されているうえ、値段も10,000円前後と、医院からの処方と比べてかなり高くなっています。
注意しなければいけないのは、薬事法における医薬部外品での美白剤の定義に「紫外線による色素斑形成の予防」と明記されていることです。ハイドロキノンを含む、いわゆる「美白剤」は「今あるシミを消す」のではなく、「今後新たにシミを作らなくする」薬だということになります。
つまり、トレチノイン軟膏や、P-フェイシャルなどの光美顔術などは、表皮にたまったシミ、
すなわちメラニンを取り除く効果がありますが、「美白剤」はそれとは別に新たなシミを予防することで、肌の美白を維持していくものとなります。
ハイドロキノン軟膏を用いたスキンケア
ハイドロキノンは適切な濃度のものを適切な期間使うことにより、新たなシミが出てくるのを防いでくれますが、もし塗布を止めた場合、3日でメラニン細胞がメラニンを作りはじめるという学会報告もあります。
アメリカのFDAが、肌への刺激性を考慮してこのハイドロキノンを一般薬局から医師の管理下に置こうとしている流れがあるにしろ、自己判断で何年も使うものではありません。医師の指導のもと、トレチノイン療法の期間中だけ使用しましょう。
P-リボーン、P-フェイシャルなどの光美顔術や、トレチノイン軟膏で透きとおるような肌を手に入れても、昼間はしっかりとUV対策をし、油断することなく美しい肌を維持していくことが大事だと考えています。
FAQ
- ハイドロキノンとはどのようなものですか?
- 水やアルコールに溶ける性質を持つ、ベンゼンジオールと呼ばれる白色の結晶です。
シミの原因であるメラニンを作らせなくする、肌の漂白剤のようものなので、一言でいうと「美白剤」となります。
美白剤は市販でも数多く販売されていますが、そうしたものの効果はハイドロキノンの100分の1程度だと言われています。
詳細はハイドロキノンのページをご覧ください。
- 病院によって使い方が異なるのですが、大丈夫でしょうか?
- 当クリニックでは患者様に負担がかからないよう、最も効果が出やすいプログラムを組んでおります。
- ハイドロキノンは強力な美白作用があると聞いたのですが、誰でも使うことができるでしょうか?
- 残念ながら極めてまれにですが、かぶれなどのアレルギー反応が起きる方もいます。アレルギーのある方には代替軟膏をお出ししておりますので、ご安心ください。
- 効果はすぐにあらわれますか?
- 個人差がありますが、2、3ヶ月~半年くらいで効果を実感される方が多くいらっしゃいます。
- 妊娠中や授乳中でも安全に使用できますか?
- 動物実験において大量内服した結果、奇形を生じたというデータがあります。
この結果が私たち人間に当てはまるわけではなく、内服するわけでもないので直接的な因果関係はありません。しかし、万が一のために妊娠中や授乳中の方には使用を中止させていただいております。
- 塗るタイミングを教えてください。
- 就寝前に1日1回、お顔全体に塗布してください。
スキンケアをされる際の手順として、
・クレンジング
・洗顔
・化粧水
・美容液
・トレチノイン・ハイドロキノン
・クリーム
という順番をおすすめしています。
- まとめて数ヶ月分を購入できますか?
- 当クリニックで扱っているトレチノイン・ハイドロキノンには保存料が一切含まれていません。有効期間はそれぞれ、トレチノインは1ヶ月~1ヶ月半、ハイドロキノンは3ヶ月~4ヶ月となっております。
そのため、基本的には数ヶ月分まとめての販売はしておりません。
- 濃度が濃いほど高い効果が期待できるのでしょうか?
- 濃度が濃いほうが高い効果を期待できますが、濃ければ濃いほどよいというわけではありません。
一人ひとりの肌の状態に適した濃度で、負担がないように使用を継続していくことが大切です。
- アトピー肌なのですが使用しても大丈夫でしょうか?
- 問題ありません。炎症を抑える効果もあるので、アトピー肌にも有効です。
- どのように保管したらよいでしょうか?
- トレチノイン、ハイドロキノンともに冷蔵庫で保管してください。
- 治療期間について教えてください。
- 治療のゴールは患者様それぞれによって異なるので、共通する治療期間はございません。
学会においても、休薬は必要なく、長期間の塗布を行なっても体への悪影響はないと発表されていますので、ご安心ください。
医師と相談しながら、治療期間を決めていきましょう。
- 毎回診察を受けることになるのでしょうか?
- 使いはじめて2~3週間後に一度来院していただき、肌の状態を診察させていただきます。
その後は、同じ濃度以下の薬であれば、診察から半年以内に限り予約なしで処方できます。
濃度を濃くしたい場合や、肌についてのご相談などをご希望される場合は予約が必要です。
- 顔以外の場所にも使用できますか?
- 問題ありません。乳輪の黒ずみや、ケガ、火傷の跡の色素沈着にも効果があります。
料金表
施術名 | 料金(税込み) | 適応 |
---|---|---|
トレチノイン軟膏(0.025%) | ¥2,200(3g) | シミ、ソバカス、炎症後色素沈着、小ジワ |
トレチノイン軟膏(0.05%) | ¥2,200(3g) | |
トレチノイン軟膏(0.1%) | ¥2,800(3g) | |
トレチノイン軟膏(0.2%) | ¥3,600(3g) | |
5%ハイドロキノン軟膏 | 3g¥1,500 10g ¥4,500 | シミ、ソバカス、炎症後色素沈着、小ジワ |